パリから半日! ル・コルビュジエの名作建築「サヴォア邸」見学

Villa Savoye by Le Corbusier

 

ル・コルビュジエの建築を巡る今回のフランス旅行。最初に訪れたのは、パリ郊外のポワシーにある「サヴォア邸」だ。実業家サヴォア家の別荘として1931年竣工した。「近代建築の五原則」と言われる、ピロティ、屋上庭園、リボンウィンドウ(横長の窓)、フリープラン(自由な平面)、フリーファサード(自由な立面)を実現した象徴的な建築だ。
(本記事は2013年9月末に訪れた際の記録です)

 

20世紀建築の傑作「サヴォア邸」
Villa Savoye, Poissy, France, 1928-31

サヴォア邸入り口パリ市内からRER(高速郊外鉄道)A5線に乗車し約30分、終点のポワシー駅で下車。ガイドブック等にはここからバス利用の案内があったが、バスを待つ間に着きそうなので、徒歩で向かうことにした。駅前には小さな看板にサヴォア邸までの道案内があるので参考程度にチェック。

緩やかな上り坂をキョロキョロしながら歩くこと約20分。住宅街の中、白い金網の塀が見えたらそこがサヴォワ邸の入り口だ。裏口のように簡素なので少し不安になるが、木の繁る敷地内に勝手に入り道なりに進んでいく。

すると右手に空間が広がり、緑の芝生の先に真っ白い外観のサヴォア邸が!

ピロティの支柱がシンプルに配置され、まるで宙に浮いた箱のよう。地面から切り離された建物を際立たせている。連続した横長の窓が想像力をかき立てる「近代建築の五原則」を具現化した建築だ。

 

 

外観を楽しみながら建物に近づき、ピロティを通って裏側にある玄関へ。ここで入場料を支払い、内部見学のスタートだ。

らせん階段のRと直線的なスロープが美しく存在感を放つエントランスホール。どちらを使おうか迷いながら、まずはスロープで2Fへ行くことに。上るごとに視界に入ってくるテラスからの日差し、広がる景色にワクワクしながらゆっくりと進む。

 

 

リビングは、テラスに向かって一面の大きな窓があり視界が広がる。内と外、一体感のある空間がなんとも心地よい。日の光がたっぷり降り注ぎ、シェーズロングに寝転んでまどろんでしまいそうだ。リビングからテラスへと連続するリボンウィンドウが、額縁のように外の景色を切り取って魅せている。

 

 

2Fにはリビングのほか、サヴォア夫妻の主寝室と息子の部屋、ゲストルーム、キッチン、バスルームなどの生活空間があり、室内は簡素ながら、収納などで巧みに仕切られている。

建物をぐるりと囲むリボンウィンドウは、キッチンにも伸びていて、調理をしながら眺望を楽しむことができる。配膳スペースの棚の扉はスライド式で、キッチンと両側から使うことができる機能性をもつ。現代のシステムキッチンの原型のような造りだ。

 

 

主寝室の間取りは特に際立っていて、直接繋がっているバスルームをタイル張りの長椅子で区切った斬新な眺めに目を奪われる。浴槽の青いタイルが水辺をイメージさせ、差し込む光がきらきらと輝いていた。

 

サヴォア邸

 

建築の評価とは裏腹に、実際の住まいとしては、雨漏りがする、湿気が多い、暖房がきかないなど、設備的な問題もあり、暮らしやすい邸宅ではなかったようだが、私たちは屋上から室内まで何度も行ったり来たり、魅力的な動線を楽しみながら時間が経つのを忘れて過ごした。

 

廃墟となり、取り壊しの危機を乗り越え、
今、歴史的建造物として守られているサヴォア邸の運命

こうしてサヴォア邸を訪れると、作品集でみたままの美しい状態を当たり前のように受け入れてしまいがちだが、戦時中にはナチスの軍隊の兵器庫として使用されたり、アメリカ軍に接収され、その後廃墟化していた時代もある。取り壊しの危機もあり、コルビュジエも晩年、その存続を気にかけていたが、反対運動などで建築の価値が認められ取り壊しを免れた。

しかしながらその後の修復に約30年、一般公開できるようになったのは1992年のことだ。さまざまな試練を乗り越えて、現在ここにあるのである。

そんな歴史にも想いをはせながら、最後に改めて建物を全方向からぐるりと眺め、サヴォア邸を後にした。

 


Villa Savoye by Le Corbusier

82, rue de Villiers, 78300 Poissy
http://www.villa-savoye.monuments-nationaux.fr/

開館時間:
[3/1~4/30, 9/1~10/31] 10:00-17:00
[5/2~8/31] 10:00-18:00
[11/2~2/28] 10:00-13:00/14:00-17:00
休館日:月曜日、12/25-1/1、5/1、11/1、11/11
入館料:7,50ユーロ
パリ・ミュージアム・パス利用可能


[サヴォア邸へのアクセス]
パリ市内からRER(高速郊外鉄道)A5線に乗車、終点のPoissy駅で下車
50番バスでVilla Savoye下車または徒歩で約20分
パリからの移動時間:往復2時間
滞在時間目安:1時間半


 

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。